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実は、今取り組んでいるプロジェクトで、米国がITAR(国際武器輸出制限規制)の対象としている部品を使用するか、否か、という問題で頭を悩ませています。

ITARは、軍事利用に転用可能な製品の輸出について定めた米国の法令ですが、宇宙機器や人工衛星関連の技術もこれに含まれており、色々な規制や制約が発生します。

何が困るかというと、我々のチームの中に、中国生まれで、カナダの市民権を持ちながら、未だ中国の国籍も有効な若い学生さん(CSAで長期研修中。すごく気持ちのいいナイスガイ!)がいるのです。

カナダではごく当たりまえのこの状況ですが、ITARはこれを問題に変えてしまいます。合法的に解決するには、TAA(=Technical Assistance Agreement)という協定を締結する必要が出てくるのですが、米国のITARに関する姿勢にカナダ政府は強い疑問を持っていて、カナダ宇宙庁(CSA)に対して、TAAを結ぶことをなかなか認めようとしないらしいのです。
また、実際に中国などの特定の国に対しては、米国がかなり神経質になっており、現在は許可を得るまでに時間もかかり、スケジュール上もかなりリスクの高い要素になると伺いました。

その部品を使うことで、人工衛星の重要な部分の設計が楽になり、信頼性も高められるため、技術的には非常に望ましい。しかし、採用する場合には、その学生さんをチームから除外しなければいけない。この学生さんだけではなく、今後、他の国籍も有しているメンバは(カナダは2重国籍OK)このプロジェクトに参加することができない。
そのようなジレンマにマネージャは悩んでいました。

そんなことが頭にも無かった日本人の僕は、その部品の使用を何度も提案していたのですが、最終的なマネージャの判断は・・・「No」でした。

Noと決断した理由について、マネージャはこう説明してくれました。

「インターンシップの学生であっても、一緒に頑張っている仲間を、特定の国に生まれた、というだけでチームから外すような選択はしたくなかった。このプロジェクトはCSAの、カナダの宇宙機関のプロジェクトだから、我々カナダ人のアイデンティティに従い、多様な民族が、互いを尊重し、協力して何かを成し遂げるといったプロジェクトにしなければならないんだ。」

そして最後に、「でも、僕は人工衛星を開発するプロマネとしては甘い決断をしている、そう思っているだろう? 日本側からは呆れられるかな?」と聞かれました。

わからない、と答えました。

答えは、これから、僕たち技術サイドが、異なるアプローチの優れた解答を作り出せるかどうか、それに掛かっているのだと、そう思っています。

日本では決して出会わなかったセンスの問題に、「上等じゃねえか」という気合が沸いてきました。

国務省


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コメント

プロマネさんはきっと
チームの誰も欠けなければ、その部品を超えられる
ともお考えになったのではないでしょうか。
優れた解答を作り出してくださいね☆
なよたけX│URL│03/16 06:40│編集

そうかもしれませんね。頑張ります☆

gaki│URL│03/18 14:15│編集
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